2014/02/17

土竜の唄



【ストーリー】
正義感は強いものの警察署きっての問題児の巡査・菊川玲二(生田斗真)は、上司からクビと言われてしまう。しかし、内実は関東一の広域暴力団・数寄矢会の轟周宝(岩城滉一)を逮捕するため、モグラこと潜入捜査官になれという命令だった。偶然にも傘下の阿湖義組若頭・日浦匡也(堤真一)と親交を深めた玲二は、数々の試練に見舞われながら轟に近づいていく。(シネマトゥデイ)



お待たせしました、三池崇史監督の新作『土竜の唄』です。この映画が公開されたばかりですが、以前より噂になっていた“The Outsider”が主役のドタキャンにより流れたので、「もしかしたらVシネを作るかも」と言っていた三池監督の今後に期待です。はい、話は戻ってこの『土竜の唄』ですが面白かった。今回、監督が三池崇史、脚本が宮藤官九郎、更に主役が生田斗真と言うことで、世の中の期待度が高かったような気もしますが、そういった見方をすると「面白い」と「つまらない」に二分されるのかなと。ただの三池崇史ラバーからすると、クドカン脚本とかは割とピンとこなくて、確かにIWGPとか面白かったよね~くらいなので結構古い記憶の中の人なんですよね。正直なところ『あまちゃん』見てないし。どうせならNAKA雅MURA脚本映画が観たいな~と思ってるところだったのになんです。今回クドカンが脚本だったことで違いが明白だったのは、役者。三池崇史もクドカンも同じ俳優を使うことが良くあるから、分かりやすい「いつメン」が居るのです。例えば『土竜の唄』にも出ている遠藤憲一、大杉漣、マイナーだけど有薗芳記とSong Ridersのメンバー。逆にクドカンの作品によく出ていて今回も出ていたのが皆川猿時。この皆川猿時が居るだけで一気にクドカンの作品だなってなる。嗚呼、懐かしのグループ魂!あと、クドカン~~~ってなったのがツッコミの雰囲気。こう、絶対日常じゃそんな風に人と会話しないだろっていう勢いで突っ込むのでもはや爽快。「5分に一回盛り上がりを作る」が監督との合言葉だったそうなのでそういうことなんでしょう。

俳優について言えば、やっぱり生田斗真。カッコいいとは予てから思っていましたが、あんなに派手な豹やゼブラや花柄のスーツの似合う人居ないですよね!!!それに金髪の立髪のような髪型、最高でした・・・・・・泣いた・・・・・・。

ポスター

三池監督の演出という所にも関わってきますが、他の作品もそして今回の『土竜の唄』でも色彩が重視されています。特に原色、その中でも特に赤。派手で柄々したものを着ているのがヤクザ!みたいに単純な思考があるんだと思います。好き。彼のシーンで一番好きなのはやっぱり盃のシーンですよね。必見!!!

次に、堤真一は可笑しなヤクザ役で固定されつつある気がしゅる。『地獄でなぜが悪い』でもそんな役だったからもう可笑しなヤクザ=堤真一なんじゃないかって思えてくる。銃弾からイクタトーマ守ってゴロンゴロンする場面は熱かった。三池崇史の描く「男とは!」という云々がこの役に詰まっていました。Vシネをよく撮っていた昔、よく考えれば馬鹿だなと思うけれど、カッコいいことが一番重要で、それを追い求め続ける男というものを三池監督は好んで描いていたような気がします。それは基本的には今も変わらないと思いますが、今回その色がまた強くなっていて良かった。青臭いんですよ、本当に。でも、そういうの嫌いじゃないし寧ろ好きです。イクタトーマも結局「かっけえ」って言っていろいろ続けちゃうしね。そういうことなんですよ。

あと気になったのは、仲里依紗。全然セクシーのイメージなかったし、丁度産後だったから胸が強調されると「お、おかあさん・・・・」ってなってしまって、全体的に申し訳なかった。いや、おかあさんなんだけれど、うん、イクタトーマと頑張ってました!

演出面で言えば『土竜の唄』で印象に残ったのがCGと色の使い方。色については先に言ったように、勿論衣裳の派手さと柄感が世界観と合って良かったのだけれど、それ以外にもキャバクラのシーンの赤とピンクの色使いとか、時々出てくる歓楽街(イメージは歌舞伎町)の絵がすごく綺麗で、下品でそういう二つの面があるような世界(善と悪、美と醜、カッコいいとダサい)を同時に表わしているようでした。血糊も綺麗な発色でした・・・!

公式ツイッターより

土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI
キャバクラでの対決シーン

もう一つがCGで、アニメーションを多く取り入れていたのだけれどそれがとても可愛かったし、導入の部分で見ている人をグイッと引きこんでいたなと思いました。結局原作があるもので、しかも結構長く今の今まで続いているから、最初の部分を端折ったりしなくっちゃいけない訳です。でも、普通に表わしたら原作ファンに「端折りおったわ」と思われるし、そういう障害なく映画に入ってこさせるには・・・なんて考えたかどうか知りませんが、そういう対策のような気もしました。ともかく、『46億年の恋』の時のアニメーションとは大違いなのでいろんな意味で感動しました。

途中で「これ2時間では終わらない内容なのでは・・・」と思いましたが、やはり終わらず、続編があれば見たいです。でも、絶対続編ってつまんないんだよな~。話は逸れるけど、『土竜の唄』が始まるまでに『クローズ エクスプロード』の予告を流してましたが、「なんで、こんなに、面白くなさそうなんだ・・・」という想いに苛まれてましたね。豊田監督も好きなのに。つらい。その前にコレ。

今をときめく東出昌大(クローズ)
『青い春』じゃないですか・・・豊田監督・・・・いいんですか・・・・

青い春のワンシーン
『青い春』を作った本人が作ってるわけだし別に良いですけど、一応しがないブログからお伝えしました。

話を戻して『土竜の唄』面白かったですし、今回は左最前から見てこちら側で「土竜の唄」歌っていた皆川さんが頭から離れないという結果になったので、もう一度正面の吹満さんを、いや右のエンケンさんを見たいです。

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