2011/02/07

冷たい熱帯魚

今日は起きたらすでに1時だったんで外に出ていくことさえ面倒くさくなっていましたがなんとか新宿まで行けたので、映画をみました。有言実行は大事。園子温監督の映画は今まで観た事ありませんでした。でもこの間園監督と三池崇史監督がなんかイベントやってたなあって思いだしたら行けるときにいっとこうかなと。情報として黒い愛犬家連続殺人事件のことは調べて知ってました。あんまり関係なかったと思うけど。「今日やることは今日やる」って誰の言葉だっけ?忘れた。うん、ちゃんと書く。

[あらすじ]
小さな熱帯魚屋を経営する社本信行は、ある夜、娘の美津子がスーパーで万引きをしたため、妻の妙子とともに店に呼び出された。その場を救ってくれたのは、スーパーの店長と知り合いの村田幸雄。村田は巨大な熱帯魚店、アマゾンゴールドのオーナーだった。帰り道、村田に誘われ店に寄る事に。そこで美津子を住み込みの従業員として預かる事を提案され、無力にも了承する社本。さらに数日後、村田から“儲け話”をもちかけられる。
(goo映画)

この映画は最初のうち日々感じる違和感を強調していくように進んでいく。家族、夫婦、親子、仕事。総てに違和感があって、どれもが気持ち悪い。そこに目をつけられて殺人に引きづり込まれていく社本はどこまでも滑稽。ただのドM。というより映画全体でSMショーをやっている感じ。あと死体解体シーンはグロくてイイ。リアルかどうかなんて分からないけど、グロくてイイ!!セックスシーンも生々しくてイイ!!全く手を抜いてない。セリフもあるけどそういう「全部本域感」が笑いを誘ってる。爆笑場面多かったし、他の観客も笑ってた。ツッコミ入れてる人もいた。ウザかったけど。私としては「ちょっと痛い」ってセリフが一番好き。最後が教訓的にならなかったのもよかった。不覚にも泣いたが、結局は教育的映画ではなかった。考えさせられることにはかわりないかな。ただ社本の娘が何故あんなに心がひんまがったのかが不明。

日々の違和感の拡張と追い詰められた男の爆発。殺人事件がちょっとしたスパイスのようになっているところが監督の凄いところだなあと思う。

どうしてかはよく分からないんだけど、殺人鬼村田の奥さんのアイコに自分自身傾倒してしまった。彼女の価値観とか倫理観はすべて崩壊していて、セックスと殺人だけが生きる糧みたいな人間で救いようがない。お金に執着するわけでもなくエネルギーのある方へ流れていくような人間。狂った淫乱って一言で言えそうだけど、狂気を求める狂気の目がゾクゾクした。アイコみたいに自分に正直な人は本当に強い。ちょっと愛おしいと感じてしまった。

あっそうだ!グロさが三池崇史のビジターQに似ている。