2012/01/26

宗教学


人間神化思想
三位一体思想における父が人間の創造を決定し、命じ、次にそれを受けた子が実行し、形作った。そして最後に聖霊がそれを養い、成長させた。人間は少しずつ成長し、完全なもの、つまり創られざるものに近くなっていく。その完全なもの、創られざるものとは神のことであり、そうして人間が神化していくという思想。

キリストは神性に関しても人性に関しても完全であり、真の神であると同時に真の人間で、霊魂と肉体から成っている。神の神性はこの世の初めに父から生まれ、人性は終わりの時代の我々の為に生まれ、この二つは融合、変化することなく各々の本性は常に保全されている。


クロッサンのイエス理解
イエスは病癒しの為様々な場所で奇跡と食卓を平等に分かち合う場を設けようとしたが、当時の血縁と性差別に基づく集団主義が根付く社会では難しいことだった。ラディカルな平等主義を実現するにはパトローヌス・仲立ち人・クリエンテスからなる社会構造を破壊する必要があり、その為に巡回宣教を行っていた。

グレゴリオパラマスの人間神化論
人間は神の超本質であるエネルゲイアによって神の本質的な豊かさを得ることが出来る。人間が神の本質を得るということはつまり人間全体が霊化されていくことであり、結果神へと近づくこととなるという考え。

ドイツ神秘思想
神は人の中にあり、その人の中にありながら神は総ての神性を持つ“我らと共なる神”である。そして神が人間に向けて絶対的自己譲与を行うことを通じて、人間の神への自己超越が可能になり、この事が総ての人間の約束となればこれが人間と神との結合を意味するという思想。

真言密教
密教とは顕教に対する呼称。究極世界での最高絶対の悟りを示す開きがたい教え。固定化・理論化した大乗仏教にかわる新しい教えとして発展した。真言密教では三密の実践、すなわち印契を結び真言を唱え、心を仏の悟りの境地に置けば現身のまま成仏でき加持祈祷により現世利益を得られるとした。空海はこの密教の特徴として果分可説、即身成仏、教法殊勝、法身説法の四つを挙げた。


即身仏信仰
この世で自らの肉体と魂を清浄に保って永久保存体となり弥勒下生を待つ究極の信仰形態。また今でも高野山の奥の院で空海がミイラ仏となって弥勒下生の時を待っているという伝説がある。

0 件のコメント:

コメントを投稿