2011/11/28
ハードロマンチッカー
【あらすじ】
下関に生まれ育ったフリーターの青年・グー(松田翔太)。在日韓国人2世の彼は、ヤクザからも刑事(渡部篤郎)からも声をかけられる顔の広い男だが、誰とも深くは関わらず、高校中退後の日々を怠惰に過ごしていた。そんなある日、後輩の辰(永山絢斗)とマサル(柄本時生)が敵対する高校生の家に殴りこむという事件が起きる。 From ムビコレ
ちょっとネタばれするかもね!
観たくて観たくて観たくて観たくてどうしようもなかった一本。そして本当に良かった。映画に先立ちいつもはしないのに原作を読んだのですが、その時点で「あ、これかなり好きだな」とは思っていました。あとはそれがどんなふうに映画になっているかが楽しみで、ティーザーの松田翔太かっこいいし、鉄パイプのからんからんって音なんかもうヤバいしで、期待が高まるだけ高めて観に行きました。小説の筋はほとんど外れていないのだけれど、構成ががらっと変わっていて内容知っていても面白かったです。もう最高。どのキャスティングも違和感がなくて、やっぱり松田翔太のかっこよさが半端なくて、その他の遠藤要とかも喧嘩シーンのリアルさに引き込まれました。名前がカンデファンだったか定かではないですが、その役をした俳優さんの以前見たことがある感の相当さといったらもう。分かる人、こっそり教えて下さい。渡部篤朗と中村獅堂の揺るぎない存在感もしっかりと確認しました。それにしてもこの映画に出てくる女の人は大概残念です。ミエコとか最初からその後どうなるか知っていたから「グーとミエコはなんて淡い会話をしてるんだ...」って思いましたもん。結局出会う女性は一皮むけば同じだったということで。
個人的にはラストのシーン好きです。小説の方も好きです。小説のラストにするとなると家族要素をばあちゃんの他に出さないと行けないし、家が空き地になっていた件も必須だろうし、そう考えるとやっぱり映画が映画らしくていいです。生気がふわ~っとぬけていってる様子がスクリーンからじんわり伝わってきました。でも辰が襲われてそのあとのアレコレの感じはまだちょっと分からないので是非もう一回観たいです!!!!!っていうかDVD欲しいです!!!!!
ハードロマンチッカー公式サイト
【おまけ】
松田龍平派だったのですが、自分で細マッチョ言うだけあって身体が綺麗。一気に心が傾きました。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』以降彼の作品は観ていなかったのですがちゃんと観てみようかな。
2011/11/24
モンスターズクラブ
【あらすじ】
現代社会を捨て、雪山の小屋で自給自足の生活をしながら、企業やテレビ局に爆弾を送り続ける良一。ある日、奇妙な怪物と森で遭遇する。それから、夜毎、小屋に現れる怪物と死んだ家族たち。幻想に翻弄されながら、良一は日本の首相に最後の爆弾を送る。その夜、自殺した兄が小屋に現れる。戸惑う良一を闇の扉の向こうに連れていく兄。そして、良一は家族の真実を知る、、、、。閉塞した現代社会に生きる人々へ贈る、精神のサバイバルと、人間性の回復の物語。スピリチュアルスリラー。
東京フィルメックスで観てきました。核心に触れるつもりではないですがネタばれ注意とは忠告しておきます。
なにから話そう。じゃあまずは出演者から。主演が瑛太、その他に窪塚洋介、Kenken、草刈麻有、ピュ~ぴる、渋川清彦で何とも豊田監督らしいなというキャスティング。Kenkenとかべーシストだからね。中村達也さん経由の知り合いらしいです。渋沢清彦とかここ最近の作品のほとんどに出てるんじゃないか?草刈麻有もそうですがね。作品の話に入る前に、私が豊田利晃さんの作品が好きで、初めは『青い春』だったんですけど、その後『ナインソウルズ』『空中庭園』『蘇りの血』を観て好きだなぁと。『アンチェイン』とか『ポルノスター』もみたいんだけどDVDあまり出回ってないので未見です。監督で観ることを決めることは少ないのですがこの方はだいたい観に行ってる気がしますね。うん。キャスティングが固定されている感は否めないですがそこは毎回そんなに気にならないです。渋川清彦(旧姓KEE)を観ることもこの監督の映画くらいしかないし。うん。そろそろ内容のことを書きますね。映画に出てくる怪物はピュ~ぴるさんと言う人らしいんですがどこかで知ってるなと思ったら、以前タコシェでみたタコが頭に乗った写真の人でした。
多分このひと。これはそれだけです。
爆弾魔の誰それさんの話を下敷きに作られた映画だそうで、確かに爆弾を作って送りつけて爆発させるんだけど視点はそこにあるんじゃなくて、自殺した主人公の兄を含めた家族の話です。社会に捉えられるのが嫌で自由を手に入れたかと思えば同時に孤独が付いてきて、じんわりと世界に沈んでいく。主人公は「僕は生きている。」って言っているんだけれど、生きるということはやっぱり世界との関わりだから、呼吸をしていても孤独だったらゆっくりと死んでいくことと同意なんだなぁと漠然と感じました。とか言っていても未だ消化しきれずといった感じ。そもそも“この現代社会とそれに抗う男”の構図がそんなに好きではない。何を言っていても独りよがりな気しかしないのです。人間は完全に一人でいることなどないのだから。主人公だってほら、死者と戯れてるし。
今回映画祭と言うことで監督もいらっしゃっていたのですが会えたことは純粋に嬉しかった。あとは三池崇史監督に会いたいです。質問時間で一人が映画と音楽の関係を聞いていたのだけれど「直感です。」的な答えでそんなもなんだと。あと私もここぞとばかりに「最後に原宿と渋谷に主人公はたどり着くのですが、新宿や永田町ではなく何故そこだったのか?」と聞いたら「永田町は行かないし、『ポルノスター』が渋谷のスクランブル交差点で始まったからそこで終わろうかなと思っただけです。」と言われ少し残念な気がしました。作品の制作者はそこまで考えて作っていない、批評家や後の人達の方が作品に対して多く語るとかないとかってやつですね、これは。何が言いたかったのか分からなくなったのでこれでおしまい!後悔は2012年の5月、ゴールデンウィークとのことです。
モンスターズクラブ公式サイト
2011/11/13
恋の罪
【あらすじ】
どしゃぶりの雨が降りしきる中、ラブホテル街のアパートで女の死体が発見される。事件担当する女刑事・和子(水野美紀)は、仕事と幸せな家庭を持つにもかかわらず、愛人との関係を断てないでいた。謎の猟奇殺人事件を追ううちに、大学のエリート助教授・美津子(冨樫真)と、人気小説家を夫に持つ清楚で献身的な主婦・いずみ(神楽坂恵)の驚くべき秘密に触れ引き込まれていく和子。事件の裏に浮かび上がる真実とは……。3人の女たちの行き着く果て、誰も観たことのない愛の地獄が始まる……。(goo映画より)
「鉄は熱いうちに打て」って言われたんで公開初日に観に行ったこの映画について書いています。先立って以前書いた「冷たい熱帯魚」のレビュー読み返して大したこと書いてないな、なんて落ち込んでみたり。どうしようもない内容だった。それはいいです。漠然と水野美紀がメインなのかなと思ったら違って、「冷たい熱帯魚」から引き続き神楽坂恵がまたもや大活躍。園子温、本当に彼女を脱がせたがり。もう。全体に渡って女の性がテーマっぽい。女性ってどんなに主導権を握ったようでもやっぱり男性には勝てなくて、それを理解したうえで欲望に従って生きていこうとしても結局はたと自分の立ち位置を考えたり、自らの綺麗な理想を求めたりして、でも欲に従いたくてずーと堂々巡り。なんていうか、苦しいまま最後の最後までもがいてる。いくとこまでいけばああなっちゃうし。ということで、女の人の方が楽しめる映画だと思いますよ。うーむ。ちょっと真面目なこと書こうとするとこう文章がごちゃごちゃになる。端的にいえば、三池崇史の「探偵物語」みたいなミステリー部分です。私はクライマックスのあたりで思いました。こんな説明したところで「探偵物語」観てない人が多くて村上春樹的比喩みたいなことにはなってないでしょうか?大丈夫ですか?
小林竜樹っていう俳優さんが出てるんだけど、私この映画で一番好きな役の人なんだけど、カオルっていう名前なんだけど、それがボーラーハット被って白い上下着てるの。ちょうどこんなんなの。
態とそうしているんだろうけどその飄々としたところが本当によくて、私あんな人間になら騙されて風俗してもいいかな。冗談だからそんなことバンバン書けますけどね。風俗で一生懸命働いている人にかなり失礼ですよ。彼の発言やその他いろんな人のいろんな場面で私を含め結構な人が笑ってたので流石みんな園子温好きなだけあるなとか思ってみたり。それでも意外と席はスカスカだった。しゅん。私の列半分いなかったし。しゅん。あともう一人気になった俳優がいて、観ている時は思いだせなかったけどググったら分かりました。深水元基でした。AV男優役お疲れ様でした。
そして最後に「空気人形」でも使われていたらしいこの詩が、頭にこびり付いて離れないということをお伝えします。
言葉なんか覚えるんじゃなかった
言葉のない世界
意味が意味にならない世界に生きてたら
どんなによかったか
あなたが美しい言葉に復讐されても
そいつは ぼくとは無関係だ
きみが静かな意味に血を流したところで
そいつも無関係だ
あなたのやさしい眼のなかにある涙
きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦
ぼくたちの世界にもし言葉がなかったら
ぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう
あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか
きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
ふるえるような夕焼けのひびきがあるか
言葉なんかおぼえるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる
ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる
田村隆一『帰途』(田村隆一詩集「言葉のない世界」)
ところで1月に公開される園監督の『ヒミズ』ですが、とことん暗いラストから希望ある感じに変更されたらしいですね。ちょっとらしくないというか、園監督の希望ある感じってどういったものなのでしょう。『愛のむきだし』とか?
『恋の罪』公式サイト
【追記】
園子温監督と神楽坂恵が結婚するそう。まぁそれほどの相手じゃないとあんな映像撮らせないのか。ちょっと興醒め。満島ひかりと石井裕也と結婚したのくらいに興醒め。
2011/11/08
今日の交信
濃厚な付き合いの中で窒息してしまいそう。
中学生でもないのに、あの人はその人がお気に入りで、この人が嫌いでなんてことを気にしながら出会う筈もなかった客と話し、結局決めるのは自分自身なのに何の気なしに私に意見を求め、これ以上あるかっていうくらい適当に流す。ながす。私の前をさらさらと流れていく。声なんて音だけで、内容は皆無。「お似合いですね」「綺麗ですよ」定番の問答を繰り返す。繰り返す。廻る回る、目が回る。苦しくて息が出来ない。みんな本心を隠し、圧政に負け、流される。流れる。トイレはTOTO。音姫の音と共に放出され、流水音と共におさらば。ばいばい、私の楽しい職務。此処ではもうやっていけないし、やっていこうとなんておもってねぇんだよ、ボケが。自分が糞過ぎて笑えるレベル。ははははははははっははははっはははっはははっははははっはっはっははははははは。なにもない。何も残らない。作り笑い。消去。作り笑い。消去。もう平気かもなんて期待。消去。消去。消去。何もない。何も残らない。早く此処からいなくならなきゃ、おかしくなる前に逃げなくちゃ、分かっているのに足踏み、足踏み、いっちに!いっちに!聖者の行進!いっちに!いっちに!はー楽しい楽しい毎日が。口だけならば何とでもいえる。はー楽しい、幸せ。こんな幸せ者私以外に居ないんじゃないか?どうなんだい?おい!嘘ばっかり、私の口から出るのは嘘ばっかり。私の耳から入るのは嘘ばっかり。私の頭ん中嘘ばっかり。フィクションとフィクションに固められて、四の字固め。女子プロ入ろうか。それとも地方の温泉旅館で仲居でもやろうか。兎に角此処から出ていきたい。レッドブルもTOTOに流れてなんの意味もなかった。子供だましも大概にしろし。本当に辛いと涙なんて出なければ、誰の言葉も耳には入らない。優しく慰められようと、叱咤激励されようと、同情されようと、黙れ黙れ黙れ。戒を解いてしまいたい。お酒も、煙草もなんでもいいジャマイカ。所詮私ごときがアル中になろうと、ニコチン中毒になろうと、肝臓をむしばまれようと、肺を犯されようと、意味もなく怒るのは母親だけ。あーなんて素晴らしい世界。あーなんて光あふれた世界。内省的な人間であれ、ハングリーであれ、愚かであれ、生きるな!自分。この生を謳歌するな。苦痛で顔を歪めながら生きろ。そう妥協すれば、そう了解すればいい話ジャマイカ。人間に縋るな!自分を大切にしろ!自分の言葉以外信用できない。クレジットカードはよう作りたい。大人と認められたい。って願望を垂れ流すのやめたい。ってそういうこと言うのすらやめたい。やめたい。諦めたい。「よいにんげん」であることに何の意味があるのかと自分に問うても答えなどない。只視界が真っ暗になるのみ。哀しくなるだけ。自由がなんだ。それがなんなんだ。規定されて生きる方がもっと楽に呼吸出来た筈なのに、何故今こんなことになっている?脳内垂れ流し。恥ずかしいったりゃありゃしない。期待するな。自分に期待するな。他人に期待するな。
\BOYS BE AMBITIOUS/
2011/11/06
君なんだ
君なんだ
君だけなんだ
僕には君だけなんだ 君なんだ
他の愛なんて要らない 僕にはただ君なんだ
もう一度聞いてみても 僕にはただ君なんだ
もう君には他に愛する人がいるけど
どうしようもないんだ もう元に戻すことは出来ない
君の視線が入ってきた瞬間に
胸深く釘を打ち込まれた瞬間に
迷わず直ぐ君を選んだ
そう 僕には君なんだ
誰が何と言っても 僕には関係ないし
誰が悪く言っても 君だけを見つめるんだ
僕がもう一度生まれ変わっても ただ君だけだ
カチカチ 時が流れても
君を愛してると言っても 何千回何万回言っても
僕の胸の中が燃え尽きて 乾く唇が擦り切れる程
僕がもう一度生まれ変わっても ただ君だけなんだ
カチカチ 時が流れても
only for you
どんな言葉も要らない 僕にはただ君なんだ
遅すぎてしまったけど 僕にはただ君なんだ
間違った愛だと分かっているけど
諦められない 絶対逃せない
酷く冷たい僕の唇は また呼ぶよ
熱く君を探し求めて呼ぶよ
呼んでも返事のない君だけど
僕は待っているんだと
2011/11/04
「荒ぶる」
「荒ぶる」
【意味】
所謂「萌え」の感情を抱いた人間が興奮しきっている状態。一般にその当事者ではなく第三者が客観的に指して言う場合が多い。
【凡例】
鰯に荒ぶる魚。常に一人荒ぶる馬。(凡例が意味不明という苦情は受け付けます。)
私、この「荒ぶる」という言葉が好きです。何も伝えていないのに、性的な何かをじわじわと感じ、「あー荒ぶってるんだな、うん、健康的。」と納得する瞬間、同時に安心します。そしてこの語の頻用度の低そうなところもツボを押さえていて、その点からみれば「高まる」も同じグループと言えるでしょう。文章を読んでいて、また誰かと話していて、「やっぱりここでこの言葉か」となる時のあのやるせなさったらないのです。友達が「滾る(たぎる)」という言葉を使った時のあの喜び、貴方(貴女)には分かりますか?そう言うことです。
登録:
投稿 (Atom)